【CCNA】(3)Ethernet LAN

第3章 Ethernet LAN

イーサネット (Ethernet) とは

今回出てくる用語

・イーサネット (Ethernet) とは

◆ イーサネット (Ethernet) とは
 イーサネットはコンピュータネットワークの規格のひとつであり、現在最も使用されているLANの規格。
 現在のLANにおけるコンピュータ通信では、イーサネットとTCP/IPの組み合わせが一般的だと言えます。
 つまりイーサネットが主に物理規格を取り決めて、TCP/IPが通信内容を取り決めているということです。



 ◆ イーサネットの歴史

 イーサネットの原点は、ハワイ諸島の島々を4800bpsの無線ネットワークで結ぶALOHAシステムと言われ
 ています。そして、ALOHAシステムに基づき1973年にゼロックスの研究員であるロバート メトカーフを
 中心にイーサネットの原型が開発されました。その後、ゼロックス(Xerox)はDECとIntelを開発に加えて
 3社の頭文字をとりDIX仕様を制定。1980年にDIX仕様をEthernet1.0規格として、IEEE802 委員会に提出。

イーサネットの歴史
1970 ハワイ大学ノーマン ・ エブラムソンにより、ALOHAシステムにより無線ネットワークの開発
1973 ゼロックス研究員ロバート ・ メトカーフにより、ALOHAシステムに基づいてイーサネットの開発
1980 DEC, Intel, Xeroxの3社共同で開発したDIX仕様をEthernetⅠ規格としてIEEE802.3に提出・公開
1982 DIX仕様のEthernet Ⅱ( version 2.0) を公開
1983 IEEE802.3 CSMA/CDを規格化 ( Ethernet Ⅱをベース )
1983 IEEE802.3による10Base5の標準化
1988 IEEE802.3aによる10Base2の標準化
1990 IEEE802.3iによる10Base-Tの標準化
1995 IEEE802.3uによる100Base-TXの標準化
1997 IEEE802.3xによる全二重通信の標準化
1998 IEEE802.3zによる1000Base-Xの標準化
1999 IEEE802.3abによる1000Base-Tの標準化
2002 IEEE802.3aeによる10GBase-LX4 / SR / LR / ER、及び10GBaseSW / LW / EW の標準化
2006 IEEE802.3anによる10GBase-Tの標準化
2008 IEEE802.3baにより40Gbpsイーサネットと100Gbpsイーサネットの標準化の検討開始


 1980年代からトークンリングやFDDI等のLAN規格などが生まれましたが、規格を公開して多くの賛同者を
 得られたイーサネットがLAN規格の代名詞となり、現在、イーサネットLANを一般的にLANと呼んでいます。
 ※ 現在普及している「イーサネットLAN」は Ethernet2.0 規格を元に、1983年にIEEE802.3 CSMA/CDとして策定された仕様です。


 ◆ IEEE802.3の全体像

 IEEEとは電気、電子分野における世界最大の学会。そして、IEEE802とはLAN規格を定めている委員会。
 そして、IEEE802.3はイーサネットLANに関する規格(またはワーキンググループ)。全体像は以下です。


  



 ◆ 帯域幅( bandwidth )とは

 帯域幅には、デジタルとアナログの2種類があります。アナログ通信の場合は、使用する最低の周波数と
 最高の周波数の差のことを意味します。デジタル通信の場合は、最大の伝送速度のことを指しています。
 コンピュータ通信の場合は「0」と「1」のビット(bit)のデジタル情報のやりとりを行います。1995年に
 規格化されたFastEthernetでは最大伝送速度である「100Mbps」がイーサネットの帯域幅を指しています。

 デジタル通信の場合、帯域幅の基本単位を bps(bit per second = ビット/秒)で表現しています。つまり、
 100Mbpsの帯域幅のFastEthernetでは1秒間に100Mビット(= 12.5Mバイト)の情報を転送できるのです。
 

デジタル通信での帯域幅の単位
単位一般的な省略表記その他の表記
ビット/秒bps1秒に1ビット ( bit per second )
キロビット/秒Kbps1000bps
メガビット/秒Mbps1000Kbps
ギガビット/秒Gbps1000Mbps
アナログ通信での帯域幅の単位
単位一般的な省略表記その他の表記
ヘルツHz1秒に1回
キロヘルツKHz1000Hz
メガヘルツMHz1000KHz
ギガヘルツGHz1000MHz

まとめ

・イーサネット (Ethernet) とは
→イーサネットはコンピュータネットワークの規格のひとつであり、現在最も使用されているLANの規格。現在のLANにおけるコンピュータ通信では、イーサネットとTCP/IPの組み合わせが一般的

Ethernet LAN – FastEthernet / GigabitEthernet / 10GigabitEthernet

今回出てくる用語

・ファーストイーサネット (FastEthernet)とは
・ギガビットイーサネット(GigabitEthernet)とは
・10ギガビットイーサネット (10GigabitEthernet)とは

◆ LANの規格

 LANの代表的な規格には、イーサネット、トークンリング、FDDIがあります。今日のネットワークでは
 トークンリングやFDDIはほぼ使用されていないので、今回の解説はイーサネットLANに焦点を当てます。

規格IEEE媒体アクセス制御方式伝送メディアトポロジー伝送速度
イーサネット802.3CSMA/CD同軸ケーブルバス型10Mbps ~
UTPケーブルスター型
光ファイバーケーブル拡張スター型
トークンリング802.5トークンパッシングSTPケーブルリング型4M or 16Mbps
FDDIトークンパッシング光ファイバーケーブル二重リング型100Mbps ~


 LANの規格は、OSI参照モデルの上では物理層とデータリンク層の2つの階層に位置します。そして
 IEEEが定義するLAN規格では、データリンク層はLLC副層とMAC副層の2つの副層に分類されています。


      

100Base-TX
MAC (Media Access Contorl) 副層 媒体アクセス制御。MACアドレスのアドレッシング機構を提供する。フレームの
 送受信方法、フレームの形式、誤り検出方法なども規定。物理層の上に位置する。
LLC (Logical Link Control) 副層 論理リンク制御。イーサネットやトークンリングなどのネットワーク媒体の種類の違いに
 関係なく、ネットワーク層からネットワーク媒体を同じ手順で利用できるようにするもの。

 ※ 現在ではLLC層は使用されておらずIEEE802.2も活動休止中。MAC層とLLC層を併せ持つEthernetⅡフレームの使用が一般的。




 ◆ イーサネット規格の命名規則

 イーサネットの規格名は、伝送メディア(ケーブルの種類)や伝送速度により以下の命名規則があります。
 ここでは100Base-TXを例に解説します。100Base-TXの読み方は「ヒャクベースティーエックス」です。

100Base-TX
100伝送速度 「10」の場合は10Mbps、「100」の場合は100Mbps、「1000」の場合は1000Mbps。
Base伝送形式 「Base」はベースバンド方式の意味。イーサネットでは現在ベースバンド方式以外はない。
TXケーブルの種類 数字の場合は最大セグメント長※1、アルファベットの場合はケーブルの種類を意味する。
 「T」はUTP、「F」は光ファイバー、「X」の場合FDDIの技術の使用※2 を意味する。

 ※1 10Base5の最大ケーブル長は「500M」なので「5」ですが、10Base2の最大ケーブル長は「200M」ではなく「185M」です。
 ※2 100Base-TXはFDDIの物理層規格を借用しているので「X」が名称として付け加えられています。


 ◆ イーサネット ( 10Mbps )

 イーサネットとして、10Base5 ⇒ 10Base2 ⇒ 10Base-Tの順番で標準化されたので当初は同軸ケーブルを
 使用したバス型のトポロジーを採用していましたが、バス型のトポロジーでは一箇所に故障が発生した場合
 その同軸ケーブルに接続したネットワーク全体が通信できなくなるので、10BaseTが登場してからはすぐに
 UTPケーブルとハブ(集線装置)を使用したスター型のトポロジーに移行していきました。以降バス型は衰退。

規格名IEEE伝送媒体コネクタ最大長トポロジー
10Base5IEEE802.3同軸ケーブルAUI500mバス
10Base2IEEE802.3a同軸ケーブルBNC185mバス
10Base-TIEEE802.3iUTPケーブル (2対のCAT3以上)RJ-45100mスター




 ◆ ファーストイーサネット ( 100Mbps )

 通信速度を100Mbpsにしたイーサネット規格。最も使用されている規格が100Base-TXです。100Base-T4
 が使用されることは先ずありません。最大ケーブル長の100mを超える配線が必要な場合は、100Base-FX
 が使用されますが、そのような配線は一般的にギガビットイーサネットで行います。なお、100Base-TXに
 対応した機器は10Base-Tも対応しており、対向機器の状況に応じ10 or 100Mbpsのどらかを使用できます。

規格名IEEE伝送媒体コネクタ最大長トポロジー
100Base-TXIEEE802.3uUTPケーブル (2対のCAT5以上)RJ-45100mスター
100Base-T4IEEE802.3uUTPケーブル (4対のCAT3以上)RJ-45100mスター
100Base-FXIEEE802.3u光ファイバ (マルチモード)ST400mスター




 ◆ ギガビットイーサネット ( 1Gbps )

 通信速度を1000Mbpsにしたイーサネット規格。現在は、エンドユーザのPCとLANスイッチ間の通信速度が
 100Mbpsが一般的であることから、バックボーンのネットワークではギガビットイーサネットにすることが
 一般的になっています。ギガビットイーサネットには以下の規格がありますが、1000Base-CXは、あまり
 使用されることはありませんが、工場などのノイズが多い場所でも高い通信速度を求められる状況では使用。
 1000BaseT/SX/LXについては機器が持っているインターフェース、ケーブル配線距離に応じて使用します。

規格名IEEE伝送媒体コネクタ最大長トポロジー
1000Base-CXIEEE802.3zSTPケーブルRJ-4525mスター
1000Base-TIEEE802.3abUTPケーブルRJ-45100mスター
1000Base-SXIEEE802.3z光ファイバ (マルチモード)SC or LC550mスター
1000Base-LXIEEE802.3z光ファイバ (マルチモード)SC or LC550mスター
光ファイバ (シングルモード)SC or LC10kmスター
1000Base-ZXCisco独自光ファイバ (シングルモード)LC100Kmスター

 なお、GLC-SX-MM (1000BASE-SX)、 GLC-LH-SM (1000BASE-LX(SMF/MMF) )、GLC-ZX-SM (1000BASE-ZX) はどの製品も
 LCコネクタです。Cisco機器で光ファイバー接続を行う場合、企業ネットワークでは GLC-SX-MM= を使用するケースが多いです。
 企業ネットワークでは、光ファイバーを使用する場合はビルのフロアー間接続などが主であり、距離的にシングルモードの光ファイバ
 を必要としないからです。価格もGLC-SX-MM= → GLC-LH-SM= → GLC-ZX-SM順で高くなります。GLC-ZX-SM はまずないです。



 ◆ 10ギガビットイーサネット ( 10Gbps )

 通信速度を10Gbpsにしたイーサネット規格。10Gbpsのイーサネット規格は大きくLAN向けの「LAN PHY」と
 WAN向けの「WAN PHY」の2つに分かれます。 LAN PHYでは「10GBase-R、10GBase-X、10GBase-T」の
 規格群が使用されます。また、WAN PHYでは「10GBase-W」ファミリー規格が使用されます。WAN PHYは
 SONET/SDHネットワーク(※1)に接続可能な仕様のグループを指します。用途や距離に応じて使用します。

物理層規格規格群規格名IEEE伝送媒体最大長
LAN PHY10GBase-T10GBase-TIEEE802.3anUTPケーブル ( CAT6a/CAT7 )100m
10GBase-X10GBase-LX4IEEE802.3aeMMF ※2240m
SMF ※310km
10GBase-R10GBase-SRIEEE802.3aeMMF ※4300m
10GBase-LRIEEE802.3aeSMF10km
10GBase-ERIEEE802.3aeSMF40km
WAN PHY10GBase-W10GBase-SWIEEE802.3aeMMF300m
10GBase-LWIEEE802.3aeSMF10km
10GBase-EWIEEE802.3aeSMF40km

 ※1 SONET/SDH : 光ファイバーを用いた高速デジタル通信方式の国際規格。ISP間を結ぶバックボーン回線で使用します。
 ※2 MMF (Multi Mode Fiber) : マルチモード光ファイバー  ※3 SMF (Single Mode Fiber) : シングルモード光ファイバー
 ※4 Cisco SFP-10G-SRがサポートするリンク長は、MMFでは26m、2000 MHz*km MMF(OM3)では300m。OM3が推奨です。

まとめ

・ファーストイーサネット (FastEthernet)とは
→通信速度を100Mbpsにしたイーサネット規格。最も使用されている規格が100Base-TX

・ギガビットイーサネット(GigabitEthernet)とは
→通信速度を1000Mbpsにしたイーサネット規格。現在は、エンドユーザのPCとLANスイッチ間の通信速度が100Mbpsが一般的であることから、バックボーンのネットワークではギガビットイーサネットにすることが一般的

・10ギガビットイーサネット (10GigabitEthernet)とは
→通信速度を10Gbpsにしたイーサネット規格。

Ethernet LAN – 伝送メディア(同軸ケーブル、UTPケーブル、光ファイバー)

今回出てくる用語

・Ethernetの伝送メディアとは

◆ イーサネットの伝送メディア

 イーサネットでは、コンピュータ間で通信する際に使用する伝送メディアには、有線と無線の2種類が
 あります。有線の場合は同軸ケーブル、UTPケーブル、STPケーブル、光ファイバーの媒体があります。



 ◆ イーサネット : 同軸ケーブル

 同軸ケーブルは、10Base5、10Base2で使用されていたケーブルなので、現在のLANでは見ることは先ず
 ないですが、テレビ受信機とアンテナとを接続する給電線や、電子機器内部の配線として使用されています。


    
     参考画像 : IPA(情報処理推進機構) 「教育用画像素材集サイト」 https://www2.edu.ipa.go.jp/gz/




 ◆ イーサネット : UTPケーブル

 UTPケーブルは、最も使用されているLANケーブルです。銅線を2本ずつより合わせて4ペアで構成されて
 います。ペアとなる2本の1本が電圧の「+」、もう一本が電圧の「-」になり、電圧を変化させることで
 「0」と「1」のデジタル通信でのデータ送受信を可能にしています。UTPは、Unshielded Twisted Pair
 というその名のとおり、シールドがされていない分、STPケーブルよりも安価ですがノイズには弱いです。


     
      参考画像 : IPA(情報処理推進機構) 「教育用画像素材集サイト」 https://www2.edu.ipa.go.jp/gz/


 UTPケーブルは品質によりカテゴリ分けされています。イーサネットで使用されるカテゴリは3以上です。
 カテゴリ(CAT)は数字が上がるごとよってケーブル品質もあがりますが、コストも上がることになります。

カテゴリ最大周波数主な用途
CAT1 電話線
CAT21MHz 低速なデータ通信
CAT316MHz 10Base-T、100BaseT4、トークンリング(4Mbps)
CAT420MHz CAT3までの用途、トークンリング(16Mbps)、ATM(25Mbps)
CAT5100MHz CAT4までの用途、100Base-TX、ATM(156Mbps)
CAT5e100MHz CAT5までの用途、1000Base-T
CAT6250MHz CAT5eまでの用途、10GBase-T(最大伝送距離55m)、ATM(622Mbps)、ATM(1.2Gbps)
CAT6a500MHz CAT6までの用途。10GBase-T(CAT6を改良したことにより最大伝送距離を伸ばす)
CAT7600MHz CAT6aまでの用途。10GBase-T(現在のところSTPケーブルのみ)


 STP(Shielded Twisted Pair)ケーブルは、その名の通り8本の銅線に対して「シールド」されており
 対ノイズという点では優れていますが、その分コストは高くなります。工場などのノイズの多い場所や
 高い周波数が求められる10GBaseTの通信でよく使用されます。STPケーブルもUTPケーブルも、同じ
 RJ-45のコネクタを使用することから、一見そのケーブルがSTPなのかUTPケーブルかは分からないです。


LANケーブル ( UTPケーブル )



LANケーブル ( STPケーブル )




 ◆ イーサネット : RJ-45コネクタ

 RJ-45とはケーブルを接続するコネクタ形状の1つです。イーサネットケーブルだけではなく、ISDN回線
 などにも使用されます。電話回線で使用されるRJ-11に形状が似ていますがRJ-45の方が一回り大きいです。
 そのRJ-45コネクタの図はこちら(非常に分りやすい)の通りです。UTPケーブルの両端に、このRJ-45を
 取り付けることにより、ネットワーク機器やパソコンのLANカードにケーブル接続ができるようになります。

 UTPケーブルの中の8本の銅線は、EIA/TIA-568規格によって、どの色とペアとなりRJ-45コネクタのどの
 ピンに結線されるのかを定義しています。EIA/TIA-568規格には、EIA/TIA-568-A と EIA/TIA-568-B の
 2つの規格がありこの規格ごとにピン配列が異なります。なお、ストレートケーブルを作成したい場合には
 RJ-45の両端を「EIA/TIA-568-B」のピン配列にします。クロスケーブルを作成したい場合には、一方の
 RJ-45のコネクタを「EIA/TIA-568-A」にし、もう一方のRJ-45のコネクタを「EIA/TIA-568-B」にします。

EIA/TIA-568のピン配列
規格12345678
EIA/TIA-568-A白緑白橙白青白茶
EIA/TIA-568-B白橙白緑白青白茶




 ◆ イーサネット : 光ファイバーケーブル

 光ファイバーは、コンピュータの電気信号をレーザーを使用して光信号に変換し、生成されたレーザー光を
 光ファイバーケーブルに通してデータの送受信をします。下図の先端のレーザー光に「データ」があります。
 光ファイバーはコアとクラッドの2層で構成されており、材質には石英ガラスやプラスチック等を使用します。


    
     参考画像 : IPA(情報処理推進機構) 「教育用画像素材集サイト」 https://www2.edu.ipa.go.jp/gz/



 光ファイバーケーブルは、用途に応じてシングルモードファイバーとマルチモードファイバーに分類されます。

光ファイバーケーブル
MMF (マルチモードファイバ) 光ファイバーケーブルの材質として、プラスチックも利用できるため安価で折り曲げにも強い。
 SMFに比べると長距離伝送には不向きのため、企業ネットワークなどで構内通信に使用される。
SMF (シングルモードファイバ) 光ファイバーケーブルの材質として、ガラス繊維を使用する必要があるため高価で配線が難。
 長距離伝送が可能なため、都市間の接続や基幹通信網などで使用されるのが一般的である。

まとめ

・Ethernetの伝送メディアとは
→有線と無線の2種類がある。
有線の場合は同軸ケーブル、UTPケーブル、STPケーブル、光ファイバーの媒体があります。

Ethernet LAN – UTPケーブル(ストレートケーブル、クロスケーブル)

今回出てくる用語

・UTPケーブルとは

◆ UTPケーブルの種類 – ストレートケーブルとクロスケーブル
 UTPケーブルとは、撚り合わせた一対の金属線により電気信号や電力を伝える通信用ケーブルの構造の一つで、電磁ノイズを遮断するシールド加工を行っていないもの。電話回線やコンピュータネットワーク用の通信ケーブルとして最も広く普及している。

 UTPケーブルには、ストレートケーブルとクロスケーブルの2種類があります。外観は似ていますが
 ストレートケーブルはケーブル内の銅線が途中で交差せずケーブル両端で同じピン配列になっており、
 クロスケーブルはケーブル内の銅線が途中で交差しておりケーブル両端で異なるピン配列となります。
 従って、LANケーブルのRJ45コネクタの先端をみれば、ストレートかクロスケーブルか判別できます。

  


 100Base-TXと1000Base-Tとでは、ストレートは同じですが、クロスケーブルのピン配列は異なります。


  



 LAN接続で、ストレートケーブルまたはクロスケーブルのどちらを使用するかは、ケーブルを接続する
 機器の組み合わせで決まります。例えば、PCとスイッチとを接続する場合はストレートケーブルを使用し
 PCとPCを接続する場合はクロスケーブルを使用します。なぜ、ストレート(クロス) なのかを説明します。

 Ethernet機器のポート2つのタイプがあります。MDI (Medium Dependent Interface) とMDI-Xです。


 MDIは送信用にピン「 1, 2 」、受信用にピン「 3, 6 」を割り当てられたポート。PC、ルータ等が該当。
 MDI-Xは送信用にピン「 3, 6 」、受信用にピン「 1, 2 」を割り当てられたポート。スイッチ等が該当。
 ネットワーク通信を行うためには、送信用ピンで送信した信号が、接続先の受信用ピンで受信する必要が
 あり、MDIとMDI-Xの接続はストレート、MDI同士、MDI-X同士の接続はクロスケーブルを使用します。

 最近は、接続先のポートタイプ (MDI or MDI-X) を自動判別し、ストレート、クロスケーブルに関係なく
 相互接続できるようにする AutoMDI/MDI-X機能 をサポートするスイッチなどが非常に増えてきています。


 ◆ ストレートケーブルとクロスケーブルの接続例

 上述での解説どおり、ポートタイプが「 MDI 」であるデバイスは「 PC、ルータ 」などが該当します。
 また、ポートタイプが 「 MDI-X 」 であるデバイスは「スイッチ、リピータハブ、ONU」などが該当。
 そして、MDI と MDI-X のデバイス間の接続はストレートケーブルが使用され、MDI同士またはMDI-X
 同士のデバイス間の接続はクロスケーブルが使用されます。以下は、それぞれのケーブルの接続例です。


   



 下図で、ストレートケーブル、クロスケーブル、Serialケーブルがどこで使用されるのかを考えてみます。

  

まとめ

・UTPケーブルとは
→撚り合わせた一対の金属線により電気信号や電力を伝える通信用ケーブルの構造の一つで、電磁ノイズを遮断するシールド加工を行っていないもの。電話回線やコンピュータネットワーク用の通信ケーブルとして最も広く普及している。ストレートケーブルとクロスケーブルの2種類がある。

Ethernet LAN – イーサネットフレーム (DIX/IEEE仕様) & MACアドレスとは

今回出てくる用語

・イーサネットフレームとは
・MACアドレスとは

◆ イーサネットフレーム

 イーサネットフレームは、イーサネットLANの通信を行う際に使用するデータのフォーマットのこと。
 TCP/IPでいうパケットという用語の代わりに、イーサネットではフレームという用語を使用します。
 そのイーサネットフレームのフォーマットを紹介します。イーサネットフレームは複数のフレームが
 存在しますが、代表的な EthernetⅡフレーム と IEEE802.3フレーム を紹介。現在、最も使用されて
 いるイーサネットフレームはDIX仕様です。つまりイーサネットフレームといえば EthernetⅡ を指す。


  

 現在、TCP/IPが完全に主流ですが、NetwareやNetBIOSを使用しているならIEEE802.3フレームを使用している場合もあります。

イーサネットフレーム
フィールドフィールドの説明
プリアンブルイーサネット通信で送受信の同期を取り、フレームの始まりを合図するために用いる特別なビット列のこと。
IEEE802.3フレームではこの特別なビット列の最初の7バイトをプリアンブル、最後の1バイトをSFDと呼ぶ。
プリアンブルは、ハードウェアにより生成され受信後に破棄されるためイーサネットフレームのサイズには
含まれない。それゆえに、イーサネットフレームのサイズは、最小64byte、最大1518byteとされている。
宛先
MACアドレス
イーサネットでは通信するためにMACアドレスを使用する。ここでは通信相手となる宛先のコンピュータの
MACアドレスの情報が入る。またはマルチキャストアドレス、ブロードキャストアドレスが入ることになる。
送信元
MACアドレス
イーサネットフレームを送信するコンピュータのNICのMACアドレスの情報が入る。
タイプ次に続く「データ」フィールドに格納する上位層プロトコルを識別するフィールドが入る。※1
長さ次に続く「データ」フィールドのサイズを示すフィールドが入る。上位層プロトコルの識別のために
IEEE802.2フィールドを使用する。後に、「長さ」フィールドを、「長さ/タイプ」フィールドに改訂。
データ最小で46byte、最大で1500byteのデータが入る。データが46byte未満である場合、ダミーのデータ
「0」を追加して46byteにする。これをパディングと言う。 セグメント内での衝突検出を行うためには、
フレームの全体長がFCSも含めて64byte以上である必要があるため、パディング処理が行われる。
FCS受信したフレームに誤りがないかどうかを調べるために付加されるデータ。CRCという値が含まれる。


 ※1 イーサネットフレームのタイプの主な値は次の通りです。タイプコードは16進数で表すため「0x」から始まります。

タイプコードプロトコル
0x0800IPv4
0x0806ARP
0x809bAppleTalk
0x8100IEEE802.1q
0x8137IPX
0x86ddIPv6


 ◆ MACアドレスとは

 MACアドレスはイーサネットLAN通信において使用されるアドレスです。物理アドレスとも呼ばれています。
 PCのNICやルータのLANポートなど各イーサネットカード(ポート)に固有のID番号です。世界中のイーサ
 ネットカード(ポート)に一意の固有のID(MACアドレス)が割り当てられており、IEEEで管理しています。

 MACアドレスは48ビット(6バイト)で構成されます。上位の24ビットがベンダーコードと呼ばれていて
 各ベンダーに固有に割り当てられている値。下位24ビットは各ベンダーが一意となるように割り当てます。
 48ビットは8ビットごとに区切り、8ビットごとに16進数で表記します。この値は通常2桁ずつまたは4桁ずつ
 区切り表記されます。PCのNICのMACアドレスはコマンドプロンプトを開いて ipconfig/all で確認できます。


     




 このMACアドレスはシスコルータのEthernetポートの情報ですが、ベンダーコードの情報をもとにIEEEの
 Webサイトで確認してみましょう。ベンダーコードは上位24ビットなので16進数の「00-17-94」の部分
 であることが分かります。この「00-17-94」をSearch forで検索すると「Cisco Systems」と表示されます。
 ベンダーコードはOUIとも呼ばれます。従って検索するボックスは「OUI listing…」と書いてるほうです。
 ちなみにシスコのような大企業は、1つではなく非常に数多くのベンダーコードをIEEEから取得しています。

 ベンダーコードは、実は3byte全てをベンダー識別のために使用している訳ではなくて、ベンダーコードの
 はじめの1byteのうち、先頭から7ビット目を U/Lビット、8ビット目を I/Gビット として予約しています。




 U/Lビットが「0」である場合はグローバルアドレスを指して、「1」の場合はローカルアドレスを指します。
 通常は「0」となっています。宛先MACアドレスのI/Gビットは「0」の場合はユニキャスト通信を指します。
 宛先MACアドレスのI/Gビットは「1」である場合は、マルチキャストまたはブロードキャストを指します。
 48ビットの全てが「1」である場合、つまりMACアドレスが「FFFF.FFFF.FFFF」の場合はブロードキャスト
 アドレスを指します。なお、MACアドレスが 0100.5E から始まる場合はマルチキャストアドレスを指します。

まとめ

・イーサネットフレームとは
→イーサネットLANの通信を行う際に使用するデータのフォーマットのこと。

・MACアドレスとは
→イーサネットLAN通信において使用されるアドレスです。物理アドレスとも呼ばれています。

Ethernet LAN – CSMA/CDとは

今回出てくる用語

・CSMA/CDとは

◆ CSMA/CDとは

 CSMA/CDはCarrier Sense Multiple Access with Collision Detectionの略であり、Ethernetが採用して
 いる通信方式の1つで、初期イーサネットLANで使用されていたアクセス制御方式。10Base5や10Base2
 といった同軸ケーブルを使用したバス型のトポロジーや、10Base-T/100Base-TXのケーブルの場合でも
 半二重通信しかサポートしないハブを使用したスター型トポロジーでも、CSMA/CD方式は使用されます。
 ※ スイッチの普及や全二重通信が広く採用されている現在のイーサネットLANでは、CSMA/CDはほぼ見られなくなりました。



 ◆ CSMA/CDの動作

 CSMA/CDは要約すると次のような動作をします。イーサネットフレームを伝送したいPC端末はケーブル
 の通信状況(電気信号の状況)を確認し、フレームが伝送されていなければ自身のフレームを送信します。
 複数の機器が同時に送信してデータが衝突した場合(コリジョン発生)、ある時間を待って送信をやり直す。


    



 信号を感知 (Carrier Sense) しフレーム伝送を行い、フレームが衝突を検出 (Collision Detection) すると
 ランダムな時間を待ち送信を開始します。この方法で、1本のケーブル上 (1つのネットワークの媒体上) を
 複数のノードがお互いにアクセス (Multiple Access) できるようになります。これがCSMA/CD方式です。
 以下はフレームが衝突した場合の詳細なフロー。バックオフは15回繰り返されて16回目にフレームを廃棄。


   


 このようにあるノードが通信していると他の端末は通信できませんが、これは “ある瞬間” においてなので
 人の目からPCの通信状況を見ると、複数の端末が同時に通信できているように見えます。注意事項として
 CSMA/CDは半二重(half duplex)の通信において使用する通信方式であり、全二重 (full duplex) の通信で
 CSMA/CDは使用されません。スイッチングハブに接続されたノードはいつでもデータの送受信が可能です。



   

まとめ

・CSMA/CDとは
→Ethernetが採用している通信方式の1つで、初期イーサネットLANで使用されていたアクセス制御方式のこと。

Ethernet LAN – ネットワークデバイス (リピータ、ブリッジ、スイッチ、ルータ)

今回出てくる用語

・リピータとは
・リピータハブとは
・ブリッジとは
・スイッチとは
・ルータとは

◆ Ethernet LAN上でのネットワークデバイス

 Ethernet LANでは多くのネットワークデバイスが存在します。リピータ、リピータハブ、ブリッジと
 いった現在では見られなくなった機器から、現在主流の位置づけのL2スイッチ、L3スイッチ、ルータ
 などの機器がEthernet LANにあります。今回は、これらのネットワークデバイスを紹介していきます。



 ◆ リピータ ( Layer1のデバイス)

 リピータはOSI参照モデルの物理層で動作する機器です。リピータはケーブルで流れる電気信号を増幅し
 波形を整えてもう一方のインターフェースから電気信号を流します。10Base2や10Base5イーサネットで
 LANケーブルを延長したい場合に使用されていました。イーサネットLANにおいて電気信号は伝送距離が
 長ければ長いほど信号がだんだん弱くなり減衰していきます。それにより電気信号にゆがみが生じる事で
 正しくデータを受信処理できなくなる場合もあるので、ケーブル延長時には必ず使用していた機器でした。


         



 ◆ リピータハブ ( Layer1のデバイス)

 リピータハブはOSI参照モデルの物理層で動作する機器です。リピータと同様に電気信号の波形の増幅や
 整形を行います。異なる点は、複数のポートを持ってる点とリピータハブに接続する場合は10Base-Tの
 ケーブルを使用する点です。リピータハブでは、端末がフレームを送信することで1つのポートで電気信号
 を受信すると、電気信号の波形の増幅と整形後に他の全てのポートに電気信号を送信します。このハブは
 他のハブと接続(=カスケード接続)を行えますが、CSMA/CDの制約によって、10BaseTの場合4段まで
 (リピータハブ同士を4つ接続できる)、100Base-TXは2段まで(リピータ同士を2つ接続できる)です。



               


 ◆ ブリッジ ( Layer2のデバイス)

 ブリッジはOSI参照モデルのデータリンク層で動作する機器です。リピータ同様に電気信号の波形の増幅、
 整形を行えるだけでなく、イーサネットフレームのヘッダを理解できます。イーサネットフレームヘッダ
 の宛先MACアドレスを見て、適切なポートにフレームを転送することができます。動作は以下となります。


    


 このブリッジの動作ではブリッジのメリットが見えませんが、次のフィルタリングで利点が分かります。


    



 上図のとおり、ブリッジはホストのMACアドレスを学習するとMACアドレステーブルに従いフレームを
 転送するため無駄なトラフィックの発生を防いだり、コリジョンが起こりにくいので通信効率も上がる。
 このように、ブリッジはコリジョンの発生範囲(コリジョンドメイン)を分割できるデバイスなのです。
 ※ 当然ながら、この機器は10Base2や10Base5の時代の機器なのでリピータ同様に過去の遺物なので現在ではあまり見ません。



 ◆ スイッチ ( Layer2のデバイス)

 スイッチはOSI参照モデルのデータリンク層で動作する機器です。スイッチングハブまたはL2スイッチ
 とも呼ばれています。リピータハブは多くのポートがあるリピータであるのと同様、スイッチは多くの
 ポートのあるブリッジと考えてOK。ただしブリッジがフレームをソフトウェアにより処理するのに対し、
 スイッチはハードウェア(ASIC)により処理するところが大きな違い。また、最近のスイッチの発展は
 目覚しいものがあるのでメーカーにより非常に多くの機能を持っています。詳細は別途解説していきます。
 ※ スイッチはフレームのヘッダ(MACアドレス)をみるため、ホストAとB間の送受信フレームはホストCやDに送信されません。


              



 スイッチにはOSI参照モデルのネットワーク層で動作するL3スイッチがあります。L3スイッチはL2スイッチ
 の機能に加え、各ポートがルーティングできる機能を有しています。また、ルータよりもパケット処理能力が
 高く、企業内のLANネットワークのコア機器として位置づけられるのが一般的です。ただし、ルータのように
 WAN接続(シリアルやISDN)などの機能や暗号化処理など高度なソフトウェア処理を行うことは出来ません。



 ◆ ルータ ( Layer3のデバイス)

 ルータはOSI参照モデルのネットワーク層で動作する機器です。ネットワーク層で動作する機器とはいえ
 ルータは物理層では電気信号の送受信を行い、データリンク層では、フレームヘッダのタイプをみること
 により上位層のプロトコルを識別をして、IPパケットの場合、ネットワーク層でパケットヘッダの「宛先
 アドレス」をみてルーティングテーブル(パケットの配送先の経路情報)に従ってパケットを転送します。
 ※ イーサネットLANではデータの単位をフレームと呼んでいますが、TCP/IPではデータの単位をパケットと呼んでいます。


  


 ルータは、イーサネットだけではなくトークンリング、FDDI、ISDN、ATMといった色々なインターフェース
 を持つことが出来て、これによりイーサネットLANと様々な規格のデータリンク層との接続を実現しています。
 ※ ここでいうインターフェースとは機器とケーブルが接続する部分のこと。「ポート」と呼ばれてたり「I/F」と略したりします。



 参考 コリジョンドメインとブロードキャストドメイン

 ブリッジやスイッチは、データリンクを分割するので、コリジョンドメインを分割できる機器なのですが
 ルータもデータリンクを分割するので、ルータもコリジョンドメインを分割できる機器です。ルータの場合
 ルータのインターフェースは別々のネットワークセグメントを割り当てることから、ブロードキャストも
 分割することができるので、ルータはブロードキャストドメインを分割する機器でもあります。詳細は以下。

デバイスOSI参照モデルデバイスの特徴コリジョンドメイン
の分割
ブロードキャスト
ドメインの分割
ルータネットワーク層宛先IPを見てパケット転送
(様々なメディア間の接続可能)
L3スイッチ宛先IPを見てパケット転送
(イーサネットLANでのみ使用可能)
L2スイッチデータリンク層宛先MACを見てフレーム転送
(ハードウェアで転送処理)
×(※1)
ブリッジ宛先MACを見てフレーム転送
(ソフトウェアで転送処理)
×
リピータハブ物理層電気信号を増幅し信号転送
(集線装置)
××
リピータ電気信号を増幅し信号転送
(中継装置)
××

 ※1 L2スイッチの各ポートに対してVLAN (Virtual LAN) を割り当てることによりブロードキャストドメインを分割できます。



      

まとめ

・リピータとは
→OSI参照モデルの物理層で動作する機器。リピータはケーブルで流れる電気信号を増幅し波形を整えてもう一方のインターフェースから電気信号を流します。

・リピータハブとは
→OSI参照モデルの物理層で動作する機器。リピータと同様に電気信号の波形の増幅や整形を行います。異なる点は、複数のポートを持ってる点とリピータハブに接続する場合は10Base-Tのケーブルを使用する点です。

・ブリッジとは
→OSI参照モデルのデータリンク層で動作する機器です。リピータ同様に電気信号の波形の増幅、整形を行えるだけでなく、イーサネットフレームのヘッダを理解できます。

・スイッチとは
→OSI参照モデルのデータリンク層で動作する機器です。スイッチングハブまたはL2スイッチとも呼ばれています。

・ルータとは
→OSI参照モデルのネットワーク層で動作する機器です。 各層で様々な働きをしています。

Ethernet LAN – レイヤ2スイッチング(フィルタリング、フレーム転送方式)

今回出てくる用語

・レイヤ2スイッチングとは

 ◆ Layer2スイッチの機能

 Layer2スイッチはデータリンク層でMACアドレスを見ながらフレームの宛先を判断して転送を行う機器。
 ここではLayer2スイッチが行うフラッディング、フィルタリング、エージング等の機能を見ていきます。
 スイッチに電源を入れた起動時では端末がデータの送受信をしていない場合、スイッチ上のMACアドレス
 テーブルにはどのホストのMACアドレスも学習していない状態です。MACアドレステーブルの見方は以下。



     





 次に、ホストAがCにフレームを送信します。そのフレームの送信元MACアドレスが「0000.0000.0001」
 宛先MACアドレスが「0000.0000.0003」となります。スイッチは、そのフレームの送信元MACアドレス、
 受信したポート番号、そのポートが所属するVLAN番号の情報をキャッシュします。このMACアドレスの
 情報は、スイッチに手動(Static)ではなく自動(Dynamic)でキャッシュなのでタイプはDYNAMICです。

 宛先MACアドレス「0000.0000.0003」がキャッシュされていないスイッチは、F0/1を除く全ポートに
 つまり、受信ポートを除く全てのポートにフレームを転送します。この動作をフラッディングと言います。
 ホストCはこのフレームを受信し処理します。一方、ホストBは自分宛ではないのでフレームを破棄します。


    



 続いて、ホストCがAにフレームを送信します。そのフレームの送信元MACアドレスが「0000.0000.0003」
 宛先MACアドレスが「0000.0000.0001」となります。スイッチは先ほど同様に各種情報をキャッシュします。
 次に、宛先MACアドレス「0000.0000.0001」がキャッシュされているスイッチは、宛先となるポート(F0/1)
 にのみフレームを転送します。この動作を フィルタリング と言います。なお、MACエントリの最適化のため、
 MACアドレステーブルの情報は、一定時間(Catalystの場合には300秒)通信が発生しなければ削除されます。
 この動作をエージングと言います。


    


 ◆ Layer2スイッチのフレーム転送方式

 スイッチにおけるフレームの転送方式はストアアンドフォワード、カットスルー、フラグメントフリー
 の3つがあります。スイッチが高性能化している現在、一般的に、どのメーカーのスイッチも転送方式に
 ストアアンドフォワードを採用しているといえます。Catalystスイッチでもこの方式を採用しています。

Layer2スイッチの3つのフレーム転送方式
ストアアンドフォワード 1つのフレーム全体を受信した後、メモリに蓄積(ストア)してから、FCSによるエラー
 チェックを行い、問題なければ転送(フォワード)します。他の方式に比べ転送速度が
 遅くなりやや高価な機器が必要となるが、通信品質の良いフレームの転送方式。
カットスルー フレームの先頭6byteだけ(宛先MACアドレスだけ)を読み込み、転送する。他の方式
 より転送速度が高速になるが、エラーチェックができないことから通信品質は低下する。
フラグメントフリー フレームの先頭64byteだけを読み込み、フレームが正常か確認して、問題がある場合
 破棄して、正常であれば転送します。カットスルーよりも信頼性が高く、ストアアンド
 フォワードに比べると転送速度が高速となる。上記の転送方式の中間のような方式。



         



 ◆ Layer2スイッチの管理設定

 下図の通り、Layer2スイッチにIPアドレスやデフォルトゲートウェイを設定していなくても、スイッチに
 接続するホストやルータは問題なく通信できますが、スイッチのステータス確認や設定変更を行いたい場合
 に、スイッチにアクセスするためには、IPアドレスやデフォルトゲートウェイを設定する必要があります。


    


 以下で、Catalystスイッチの管理設定の基本であるホスト名、IPアドレス、デフォルトゲートウェイの
 設定を紹介します。以下の設定により、ホスト名を 「TEST」、管理IPアドレスとしてinterface vlan 1
 に「192.168.1.250」、デフォルトゲートウェイとして「192.168.1.254」がコンフィグ設定されます。

  

まとめ

・レイヤ2スイッチングとは
→データリンク層でMACアドレスを見ながらフレームの宛先を判断して転送を行う機器。

Ethernet LAN – 半二重通信/全二重通信、オートネゴシエーション機能

今回出てくる用語

・半二重通信とは
・全二重通信とは
・オートネゴシエーション機能とは

◆ 全二重通信 / 半二重通信

 全二重通信 ( full duplex ) とは、データの送信と受信を双方から同時に行える通信方式です。そして、
 半二重通信 ( half duplex ) とは、データの送信と受信を同時に行えず、時間を区切って片方向からの
 送信しかできない通信方式。つまり、全二重通信は、半二重の2倍の帯域幅を利用することが可能です。


    



 ※ CatalystスイッチのF0/1ポートでの設定例:固定の通信速度(100Mbps)、固定の通信モード(全二重)


 Catalyst(config)# interface FastEthernet 0/1
 Catalyst(config-if)# speed 100
 Catalyst(config-if)# duplex full


 ◆ オートネゴシエーション機能

 イーサネットLANでは機器同士で通信速度(10 or 100)や通信モード(全二重 or 半二重)を合わせて
 いなければ通信が不安定になります。 IEEE802.3uにより標準化されたオートネゴシエーション機能では
 通信速度と通信モードを自動的に最適化します。オートネゴシエーション機能は、機器間でFLPバースト
 という信号を交換することで相手の通信速度と通信モードを検出して、以下の優先順位に従い決定します。

 ① 100BaseTXの全二重 ⇒ ② 100BaseTXの半二重 ⇒ ③ 10BaseTの全二重 ⇒ ④ 10BaseTの半二重

 正確な検出順位 ⇒ ①1000BaseT/Full duplex ②1000BaseT/Half duplex ③100BaseT2/Full duplex ④100BaseTX/Full duplex
 ⑤100BaseT2/Half duplex ⑥100BaseT4 ⑦100BaseTX/Half duplex ⑧10BaseT/Full duplex ⑨10BaseT/Half duplex です。



       


 ※ CatalystスイッチのF0/1ポートでの設定例 : 通信速度、通信モードともにオートネゴシエーション状態


 Catalyst(config)# interface FastEthernet 0/1
 Catalyst(config-if)# speed auto
 Catalyst(config-if)# duplex auto




 ◆ オートネゴシエーション機能のトラブル

 オートネゴシエーション機能は、両方の機器がオートネゴシエーション機能をサポートしている場合は、
 便利な機能ですが、対向機器がオートネゴシエーション機能をサポートしていない場合や(先ずないが)
 対向機器がオートネゴシエーション機能を無効にしている場合(つまり、固定設定している)においては
 オートネゴシエーションが失敗してしまいます。つまり、以下のとおり通信モードの不一致が発生します。


   


 上図のように、通信モードの不一致( 一方が全二重通信、もう一方の機器が半二重通信 )が発生すると
 データトラフィックの送受信なら半二重通信でも「遅いな」で済みますが、ボイストラフィックの送受信
 の場合には、半二重通信では「音声品質がボロボロ」となるので、絶対に行ってはいけません。間違って
 半二重通信としてしまったことで障害報告書を書かされたネットワークエンジニアは多くいると思います。

まとめ

・半二重通信とは
→データの送信と受信を双方から同時に行える通信方式です。

・全二重通信とは
→データの送信と受信を同時に行えず、時間を区切って片方向からの送信しかできない通信方式。

・オートネゴシエーション機能とは
→通信速度と通信モードを自動的に最適化します。

Ethernet LAN – 半二重通信/全二重通信フロー制御、推奨はAuto or 固定

今回出てくる用語

・フロー制御とは

◆ フロー制御

 スイッチでは、受信フレームを一度は共有のバッファメモリに格納し、MACアドレステーブルを使い
 宛先MACアドレスを見て必要な宛先に送信されます。その後、そのフレームはメモリから消去されます。

 複数のフレームが多数同時に送信されてきても、それらは全てバッファメモリに蓄えられて、順次送信
 されていきますが、メモリ容量を超えるフレームはバッファされず破棄されてしまいます。それにより
 TCP通信では再送処理が発生してしまうので、再送処理のためにタイムラグが発生してアプリの応答が
 悪くなります。この問題を回避するために、フロー制御ではバッファメモリがあふれる前にフレームが
 送信されてくるのを防ぐことができます。フロー制御の動作は全二重通信、半二重通信とで異なります。




 ◆ 半二重通信 ( half duplex ) におけるフロー制御

 フロー制御方式としてバックプレッシャ機能を採用しています。スイッチ上のバッファメモリがあふれ
 そうになると、スイッチはジャム信号を送信します。これにより送り手は CSMA/CD に従い、ランダム
 な時間を待機してから再度フレームを送信するようになります。


    


 ◆ 全二重通信 ( full duplex ) におけるフロー制御

 フロー制御方式としてIEEE802.3xフロー制御を採用しています。スイッチ上のバッファメモリがあふれ
 そうになると、スイッチはPAUSEフレームを送信します。これにより送り手は指定された時間だけ待機
 してから再度フレームを送信するようになります。ただしバッファに余裕ができた場合はスイッチから
 PAUSE解除フレームを送信するようになり、その場合すぐに再度フレームを送信できるようになります。


      



        




 ◆ 参考:推奨の設定 ( 固定設定 or Auto設定 ) はどちら?

 以上が全二重通信と半二重通信、オートネゴシエーション機能、フロー制御についての解説となります。
 さて、ネットワークの構築作業において通信モード不一致(一方が固定設定、もう一方がAuto設定)を
 発生させないことはとても大切なことです。ここでは通信モードの不一致を発生させないための術を紹介。

 CiscoのWebサイトでも紹介されている通り推奨設定(固定設定 or Auto設定)というものはありません。
 つまり、両方の機器が固定設定のパターン、両方の機器がAuto設定のパターンのどちらでも正しく動作
 します。しかし、以下の通信モードの組み合わせは非常に安定しており当方の設計ポリシーも以下です。

機器のタイプAuto or 固定理由
NW機器 ⇔ NW機器Auto ⇔ AutoIEEE802.3uによる自動の最適化の結果を確認できるため
スイッチ ⇔ PC間Auto ⇔ AutoクライアントPCのNICのデフォルト設定がAutoであるため
スイッチ ⇔ サーバ間サーバ側にあわせるただし、どちらでも良い場合は、Auto設定にしています
NW機器 ⇔ ONUONU側にあわせる既にキャリアで設定している状態に合わせざるをえないため


 私の設計ポリシーと言っていますが同じように実装しているネットワークエンジニアは多いと思います。
 前回に申し上げた通り、通信モードの不一致を発生させたままユーザに引き渡すと障害報告書の提出は
 避けられませんので、自分のなかで一貫した通信モードのポリシーを決めておくことは重要なことです。

 そして、ここからがポイントとなります。自分で制御できないONUなどのキャリア機器、外部ベンダーの
 導入機器と接続する場合、相手側が「固定設定にする」と決まった場合でも、当方は必ずAutoに設定して
 IEEE802.3uによる最適化の結果を見るようにします。もし、こちらの機器が「半二重」になれば、相手側
 の機器は間違いなく「固定設定」であることを確認できます。それが確認できてから固定設定にしています。

 そして「全二重」になった場合は、相手側が間違えているか、両者の認識違いがあったことを確認する
 ことができます。サーバと接続する場合も同じでとにかくAutoにしてステータス結果を確認しています。
 そうすることで、相手側のミスもつぶせます。簡単なことですが、通信モード不一致の最高の回避策です。

まとめ

・フロー制御とは
→バッファメモリがあふれる前にフレームが送信されてくるのを防ぐことができます。

Ethernet LAN – ルータの動作の仕組み

今回出てくる用語

・ルータの動作の仕組みとは

◆ ルータ の動作の仕組み

 通信相手のホストが異なるネットワークセグメントにいる場合、ルータやL3スイッチを経由して通信を
 行う必要があります。今回はルータを経由したホストAとBの通信がどのようになるのかを見ていきます。

 ホストAは自身のIPアドレスとサブネットマスクの情報から、通信相手のホストBは異なるセグメントに
 いると認識してデフォルトゲートウェイにデータを送信しようとします。(ゲートウェイはルータのIP)。
 Ethernet LANで通信するためにはMACアドレスの情報が必要なのでARPリクエストをブロードキャスト。
 ルータFa0/1で受信すると、要求されるIPが自分のIPと一致したのでARPリプライでMACアドレスを通知。



  



 ホストAはデフォルトゲートウェイ(ルータ)のFa0/1のMACアドレスを知られたので、ルータにパケット
 を転送します。パケットを受信したルータは、宛先MACアドレスが自身のFa0/1のアドレスであると分かり
 ましたが、宛先IPアドレスは自身インターフェースのIPアドレスではないと分かります。そこで、ルータは
 ルーティングテーブルに従いパケットをFa0/0に転送します。ネクストホップがconnectedであることから、
 ルータ自身のインターフェース(Fa0/0)のセグメントであると分かります。


  





 宛先IPアドレスが自身のインターフェースのセグメントなので、ルータは 192.168.2.1 のMACアドレスを
 ARPキャッシュしていないか確認してARPテーブルに 192.168.2.1 とMACアドレス情報がない場合、ARP


 リクエストを送信します。ホストBは自身のIPアドレスと合致したので、ARPリプライで自身のMACを通知。

 ホストBからのARPリプライにより、ホストBのMACアドレスが分かったルータはホストBにパケットを転送。
 先ほどのパケットフォーマットとの変更点は、送信元MACアドレスと宛先MACアドレスとなります。今度は
 逆にホストBからAへの通信は同様の流れで、ホストBが192.168.2.254のMACアドレスを知ることから開始。


 ◆ ネットワークデバイスとOSI参照モデル

 スイッチはデータリンク層の機器なので第二層だけ、ルータはネットワーク層の機器なので第三層しか
 見ないというのではなく、スイッチは第二層までみて、ルータは第三層までみて動作を行っています。
 ※ メーカの製品仕様により第何層まで動作するのかは異なりますが、一般的にはスイッチは第二層までルータは第三層まで。


  



 ホストの場合、物理層で受信したイーサネットフレームをデータリンク層から順番にアプリケーション層
 まで非カプセル化を行っていき、最終的に人間の目で見てわかるデータをパソコン上の画面に出力します。


  

まとめ

・ルータの動作の仕組みとは
→上記説明を良く参照してください。

Ethernet LAN – Ethernetタイプ番号一覧表

今回出てくる用語

・Ethernetタイプ番号一覧表とは

◆ Ethernetタイプ番号 ( Ethernet Type Number )

 Ethernetタイプ番号は、上位層のプロトコルを識別するための番号のことでありEthernetヘッダに16ビット
 の情報です。例えばタイプ番号が 0800 の場合はIP、0806 の場合はARPとなります。この番号は16進数で
 表示されます。以下は主要なタイプ番号表です。なお、タイプ番号の最新情報はIANAサイトで確認できます。

   

タイプ番号 ( 16進数 )Protocol
0000-05DCIEEE802.3 Length Field ( 0 ~ 1500 )
0101-01FF実験用
0800Internet IP ( IPv4 )
0806Address Resolution Protocol ( ARP )
8035Reverse Address Resolution Protocol ( RARP )
805BVMTP ( Versatile Message Transaction Protocol )
809BAppleTalk ( EtherTalk )
80F3AppleTalk Address Resolution Porotocol ( AARP )
8137IPX ( Novell Netware )
814CSNMP over Ethernet
8191NetBIOS/NetBEUI
817DXTP
86DDIP version 6 ( IPv6 )
8863PPPoE Discovery Stage
8864PPPoE Session Stage
9000Loopback ( Configuration Test Protocol )


 ◆ Catalystで実装する mac-access-list の理解

 Catalystスイッチでは、名前付きMACアクセスリストを使用することで、Ethernetフレームのタイプ番号に
 基づいたフィルタリングが可能です。この mac-access-list は非IPv4トラフィックをフィルタリングする
 ために使用するものでありL3 I/Fには適用できません。一般的にL2の物理ポートにPACLとして適用させます。


 Switch(config)#mac access-list extended M-pacl
 Switch(config-ext-macl)#permit any any ?

   <0-65535>
   aarp
   amber
   appletalk
   cos
   dec-spanning
   decnet-iv
   diagnostic
   dsm
   etype-6000
   etype-8042
   lat
   lavc-sca
   lsap
   mop-console
   mop-dump
   msdos
   mumps
   netbios
   vines-echo
   vines-ip
   xns-idp

 An arbitrary EtherType in decimal, hex, or octal
 EtherType: AppleTalk ARP
 EtherType: DEC-Amber
 EtherType: AppleTalk/EtherTalk
 CoS value
 EtherType: DEC-Spanning-Tree
 EtherType: DECnet Phase IV
 EtherType: DEC-Diagnostic
 EtherType: DEC-DSM
 EtherType: 0x6000
 EtherType: 0x8042
 EtherType: DEC-LAT
 EtherType: DEC-LAVC-SCA
 LSAP value
 EtherType: DEC-MOP Remote Console
 EtherType: DEC-MOP Dump
 EtherType: DEC-MSDOS
 EtherType: DEC-MUMPS
 EtherType: DEC-NETBIOS
 EtherType: VINES Echo
 EtherType: VINES IP
 EtherType: XNS IDP




 ◆ イーサネットフレームについて

 EthernetフレームといえばDIX規格のEthernetフレームのことを一般的に指しますが、Ethernetフレーム
 としてその他にIEEE802.3のEthernetフレームも存在します。Ethernetの長い歴史を省略し簡潔にいうと、
 一般的に、TCP/IPで使用しているのがDIX Ethernetフレームであり、Netware、Netbiosで使用するのが
 IEEE802.3 Ethernetフレームです。これらのEthernetフレームフォーマットの詳細は、下図のとおりです。


   



 Ethernetフレームフォーマットを厳密に見ると、Ethernetフレームの先頭にはプリアンブルと呼ばれる
 8byteの情報が存在します。これはLANに接続されているI/Fに、これからフレームを送信させる事を認識
 させて同期をとるタイミングを与えるための信号のこと。IEEE802.3Ethernetフレームの場合、7byteの
 プリアンブルと1byteのSFD(Start Frame Delimiter)のフィールドに分かれていますが、その内容はDIX
 Ethernetフレームと同じ。プリアンブルはフレーム長に含めないのでEthernetフレームは64~1518byte。

まとめ

・Ethernetタイプ番号一覧表とは
→タイプ番号とは上位層のプロトコルを識別するための番号のことでありEthernetヘッダに16ビットの情報のこと。これらのタイプ番号の主要な機能を表にしたもの。

10GigabitEthernet – XENPAK / X2 / XFP / SFP+ の違い

今回出てくる用語

・光トランシーバーの種類とは

◆ 10GigabitEthernet – 光トランシーバの種類

 10GEの光トランシーバの現在の主流はSFP+ですが、XENPAK ⇒ X2 ⇒ XFP ⇒ SFP+ の流れで進化して
 います。光トランシーバの進化により、小型化と低消費電力を実現しています。1GE規格で使用されていた
 SFPに対して電磁波対策のEMシールドを装備した10G版がSFP+であることから形状が似ています。また、
 10G対応スイッチで1GEのSFPと10GEのSFP+が混在させられる機種が多く、SFP+なら10Gイーサネット
 へスムーズに移行できます。

XENPAKX2XFPSFP+

第一世代第二世代第三世代第四世代
消費電力 9W/port消費電力 4W/port消費電力 2.5~3.5W/port消費電力 1~1.5W/port
SCコネクタSCコネクタLCコネクタLCコネクタ
Catalyst6500Catalyst6500
Catalyst4500E
Catalyst4900
Catalyst3750-E
Catalyst3560-E
Catalyst6500
WANモジュール

Nexusシリーズ
Catalyst6500
Catalyst4500E
Catalyst4948E
Catalyst3750-X
Catalyst3560-X
Catalyst2960-S


 ◆ 10GBase-T

 10GイーサネットといえばXENPAK、X2、XFP、SFP+ の光トランシーバと光ファイバーケーブルを使用
 した構築が多かったのですが、今後は10GBase-Tにより安価に構築できるRJ45のツイストペアケーブルに
 よる構築が主流になるでしょう。IEEE802.3an-2006規格である10GBase-Tでは、最大100メートルまで
 10Gbpsで接続できるだけでなく、オートネゴにより、10GBase-Tと1000Base-Tのスムーズな移行が可能。

規格速度UTPカテゴリー最大伝送距離
10Base-T10MbpsCAT3100M
100Base-TX100MbpsCAT5100M
1000Base-T1GbpsCAT5e / CAT6100M
10GBase-T10GbpsCat6a / CAT7100M

まとめ

・光トランシーバーの種類とは
→10GEの光トランシーバの現在の主流はSFP+ですが、XENPAK ⇒ X2 ⇒ XFP ⇒ SFP+ の流れで進化しています。

PLC(電力線通信)とは

・PLCとは

◆ PLC(Power Line Communication)とは

 PLCとは電力線を通信回線として使用する技術のこと。電力線通信、高速電力線通信と呼ばれています。

PLC周波数特徴
低速PLC10kHz ~ 450kHz 9600bpsの低速であり、この周波数での製品は現在ほぼない
高速PLC2MHz ~ 50MHz 2006年10月に省令改正して使用できるようになった周波数であり現在の主流


 現在の企業ネットワークや家庭ネットワークは、有線LANではイーサネットLANで構築されており、PLCで
 構築することは先ずありませんが、UTPケーブルが敷設できない環境や、無線LANの電波が届かない特殊な
 環境(小規模ネットワーク)で、このPLCを使用することが稀にあります。ただし、PLCによる漏洩電波が
 無線通信や医療機器に影響を与える可能性があると指摘されていることもあり、基本的に普及していません。



 ◆ PLCの構成

 PLCを利用するためには最低でも2台のPLCモデムが必要です。1つをマスターアダプターとして使用して
 もう1つをターミナルアダプターとして使用します。また、PLCが電力線を使用するとはいえPLCモデムへは
 UTPのLANケーブルで接続します。家庭内ネットワークでは電子レンジなどの影響を受けて無線LAN環境で
 快適に通信できない人は、以下のような構成でPLCモデムを使用している人が少なからずいらっしゃいます。


 


 ◆ PLC – 通信規格

 日本国内で利用可能なPLCの通信規格には以下の3つがあります。現在、国内で主流な規格はHD-PLCです。

PLCの通信規格説明
HD-PLC CEPCA(CE-Powerline Communication Alliance)で作られた規格で、同団体のパナソニックの登録商標。
HomePlug AV HomePlug Powerline Alliance(HomePlug)で作られた規格。この団体はアメリカ合衆国の業界団体。
UPA UPA (Universal Powerline Association) という団体で作られた規格。この団体はスペインの業界団体。


 HD-PLCの特徴は以下の通りです。210Mbpsは理論上の最大通信速度でありノイズにより速度が低下します。

変調方式メディアアクセス制御方式暗号技術使用周波数帯最大物理速度
Wavelet OFDM/PAMTDMA・CSMA/CAAES 128bit4 – 28MHz210Mbps



 ◆ HD-PLCに準拠した世界初の第3世代PLCアダプター

 現在販売されているPLC製品は、HD-PLCに準拠した第3世代PLCアダプターです。最大240Mbps(規格値)の
 高速通信を実現しています。PLCネットワーク接続ができなかった場合のペイバックシステムなどもあります。

まとめ

・PLCとは
→電力線を通信回線として使用する技術のこと。

※最新の情報の取得・更新に努めておりますが、掲載内容については、その正確性、完全性、有用性、最新性等についていかなる保証もするものではありません。

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