【ITエンジニア】（18）フレームワークの種類と概要について

アプリケーションフレームワークとは

アプリケーションを、＜一定の品質を担保しながら＞＜効率よく＞を開発するための仕組み。

昨今のアプリケーション開発において、納期までにカットオーバーさせるためには、一定の品質を担保しながら、効率よく開発する事が求められます。

そのアプリケーションフレームワークというものは、どのような種類があり、どのような特徴があるのか、この研修の中で理解していきましょう。

そもそも「フレームワーク：framework」という意味は、『枠組み、骨組み、構造』となります。

アプリケーション以外にも、SWOT、PPMなどの「ビジネスフレームワーク」というものもあったりしますが、要はある課題や問題を解決するための決まった「型」、「基盤」ということになります。

そして、我々が開発する対象は「アプリケーション」です。

「アプリケーション」を構築するため先人の頭の良い方々が考えた、作成した「枠組み」を「アプリケーションフレームワーク」といいます。

その中でもWebに特化した「Webアプリケーションフレームワーク」について説明していきたいと思います。

※以降「フレームワーク」は「Webアプリケーションフレームワーク」の事を指します。

＜Webアプリケーションで必要な仕事例＞

→Webアプリケーション側でやることは色々ある、こういった処理を自前で開発すると大変…

そこで利用するのが「Webアプリケーションフレームワーク」となります。

①開発工数の短縮化	共通箇所の工数が削減できる。ビジネスロジック（業務固有の処理）に注力でき生産性が向上する。
②品質の均一化	フレームワークのクラスやライブラリを利用することで、最低限の品質を担保することができる。
③メンテナンス性の向上	一定のルールや仕組みで開発されるようになり、影響範囲が限定される。結果、保守時のメンテナンスが向上する。

①学習コスト	フレームワークの仕様を理解する必要がある。
②処理の隠蔽	フレームワークがいいようにしてくれる為、バグや不具合があった場合にフレームワークの内容を解析する必要が発生するケースがある。
③脆弱性の影響	フレームワーク側で脆弱性が発覚した場合、その回避対応やパッチ適用などのコストが発生する。

Webアプリケーションフレームワークの種類を分類するときの切り口として以下があります。

①「プログラム言語」ごとに色々な種類が存在します。

② フレームワークが提供してくれる機能も異なります。((Webアプリケーションを開発する範囲の一部なのか、全体的 (フルスタック) なのか)

①Java

#	フレームワーク名	概要
1	Java EE（Java Platform, Enterprise Edition）	•Java標準仕様のフレームワークで、ServletやJSP、EJBなど標準仕様。 •10年位前は重量コンテナとして忌み嫌われてきたが、Java EE6あたりから他のフレームワークのいいとこどりをするようになってもりかえしてきた •最新版：Java EE8(2017/9/21)
2	Struts	•MVC（Model/View/Conrol）モデルに基づいたアーキテクチャで一時期はでデファクトスタンダードとなっていた •Struts2で重大な脆弱性が何度か発見されている •いまからこのフレームワークを選定することはない
3	Spring Framework	•DI(Dependency Injection)コンテナと呼ばれる、環境に依存する機能を外部から提供可能とする方法が特徴 •DIを採用することで、機能の独立性が高まり効率よく開発を実現できる
4	Spring Boot	•Spring Frameworkを使いやすくするためのフレームワーク •起動までに設定が複雑だったSpring Frameworkの問題を解消 •デプロイするとアプリ動作するjarができるため、スケールしやすい
5	Play framework	•Ruby on Railsの思想に似せたフレームワーク •Scalaという言語でも利用可能

②C#、VB

#	フレームワーク名	概要
1	ASP.NET (Web Form)	•.NET でWebアプリケーションフレームワークといえばこれしかなかった。その後、ASP.NET MVC登場により、新規で利用することはない。
2	ASP.NET MVC	•Microsoftが開発・提供している、Model View Controller (MVC) パターンをベースとしたアプリケーションを開発するためのASP.NETのWebアプリケーションフレームワーク

③Ruby

#	フレームワーク名	概要
1	Ruby on Rails	•RubyのWebフレームワークといえばこれ的な存在 •これでRubyが世に知られるようになった •DRY(Don‘t Repeat Yourself)：「同じことを繰り返さない •COC(Convention Over Configuration)：「規約(決められたルール)を優先する」 •GitHub、Airbnbも利用している
2	Sinatora	•小規模向け •部品を組み合わせて作成する
3	Padrino	•SinatoraをベースにMVC構造で設計されている •フルスタックフレームワーク
4	Ramaze	•シンプル・軽量・モジュール化を目指して８つの原則にもとづいて設計されている。

④Python

#	フレームワーク名	概要
1	Django	•PythonのWebフレームワークで一番人気がある •フルスタックフレームワーク •管理画面を自動生成してくれる機能をもつ
2	Bottle	•１ファイルで構成されている軽量なWebフレームワーク •軽量なので部分的な人工知能や、データ解析に利用が想定される
3	Flask	•データベースの抽象化や入力値検査などの機能を持たず最小限に保っている •自由度はDjangoよりも高い
4	Tormado	•スケーラブル、ノンブロッキングなWebフレームワーク •Webサーバとして機能することも可能

⑤フロント

#	フレームワーク名	概要
1	Angular	•シングルページアプリケーションの開発に適している •Javascript/Typescriptで開発 •AngularJSは古いバージョン、Angularとは別物なので注意。
2	React	•FaceBook社が開発したUIを構築するためのライブラリ •MVCデザインパターンのView部分のライブラリ •Angularと同じくらい人気
3	Vue.js	•MVCの派生であるMVVMという設計基盤として構築されている •HTML/JavaScript間の双方向データバインディングに特化していて、極力シンプルに実装できるようになっている。
4	JQuery	•上記のフレームワークとは毛色がちがうけど、フロントのアニメーションやひど非同期処理など、javascriptをごりごり記述しないようにするためライブラリ