【ITエンジニア】(11)要求定義について

要求定義とは

要求定義とは・・・

そもそも「要求」とは、「ユーザーがやりたいこと」。
その “願望実現装置” が、開発対象となるシステムである。

要求定義は、その「ユーザーがやりたいこと」をわかりやすく明確に文字や図式化したもの。

システム開発の中での位置付け

1つのシステムが生み出されるまで

一般的なシステム創出のフロー

要求定義の方法

要求定義を具体的に形にするには

何かしらのドキュメントを用意することで、要求を明確にする。

要求定義に関連するドキュメントは様々…

  • 情報提供依頼書(Request For Information:RFI)
  • 提案依頼書(Request For Proposal:RFP)
  • 要求定義書
  • 要求仕様書
情報提供依頼書(Request For Information:RFI)とは

入札や調達の事前準備として、ベンダーに保有製品や提供可能なサービスの概要。
あるいは、その組み合わせや実績などの情報を提供してもらうための依頼書。

従って、RFIへの回答は、基本的には出来合いの製品カタログ・パンフレット、あるいは過去の実績や事例集といったもので構成され、見積価格も細かく正確なものではなく、標準価格や参考価格といったざっくりしたものになる。

提案依頼書(Request For Proposal:RFP)とは

ベンダーにシステムの細かな提案を作成してもらうための依頼書。
提案範囲や、提案の骨組みとなる要件、提案者が守らなければいけない項目などが明確に定義されており、提案者が自由に提案できる範囲はRFIと比べて限定的となる。

従って、RFPへの回答は、やってほしいことに対する「やり方」と「コスト」が明記され、見積価格も細かく正確なものになる。

要求定義書とは

ユーザーが実現したいこと(要件)の定義を明確にドキュメントにしたもの。
システム設計の元となり、機能要件・非機能要件など後工程の設計に必要な情報も記述。

実は、RFPの業務要求と、要件定義書に書く内容は基本的には同じで、行う作業もアウトプットも同じ性質のものになる。しかし、目的と方向性が明確に異なる。

RFP:ベンダー選定が目的。詳細性よりも網羅性を重視し、要求の優先順位を明確にする

要求定義:システムの仕様を業務の視点から定義する。RFPよりも詳細な内容になる。

要求仕様書とは

本来、明確な定義が存在していないが、最近よく聞く様になってきたもので、現場や企業によって様々な見解が存在する。

見解要件定義の一部で、システムの実装方法を含まない要求をまとめたもの

見解② 要件定義の基になる情報で、書く内容や詳細度はRFPと同程度のもので、調達用途に使えばRFP、そうでなければ要求定義に詳細化するための仕様書である。

見解要求仕様書は、設計のフェーズで細かい仕様を要求するためのドキュメントである

…などなど

ここで定義する「要求仕様書

近年、利用シーンが多いと考えられる定義に従うと・・・

従来のウォーターフォール型開発の場合、要件定義、基本設計(外部設計)/詳細設計(内部設計)と工程の境が明確なのに対し、アジャイル開発やプロトタイプ開発など作業工程の境が曖昧で、動くものを見ながら仕様を固めていくスタイルを取る場合は、「ここをもう少しこうして欲しい」といった要求が都度生まれることになる。

この時に利用される、「こういう仕様にして欲しい」をまとめたドキュメントが、要求仕様書であると考えられる。

▶︎ これに対しての返答が、新たな要件定義書、または更新された要件定義書となる。

まとめ

要求定義とは「やりたいこと」の定義である

システムを開発するために必要な「やり方」と「コスト」、現状の既存システムが持っている問題が何かも考慮しながら実現方法を明確にし、今後の設計の基となっていく。

要件定義にはいろんなドキュメントがある

RFI, RFP, 要求定義書など、それぞれ異なった目的で作られている。

真の要求は、常に変化していく

依頼側も、立場(経営層・情報管理部門・現場のユーザーなど)や、市場変化によって「何が本当の要求なのか」「この要求で十分なのか」「潜在的な要求は無いか」を全て把握しきることは難しい。そのため、実際の要求は変化しやすいこと を事前に頭に入れておくべし。

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